近頃、ブラック企業という言葉をよく耳にすると思います。
一言でブラック企業といっても様々な形態がありますが、その代表的なものが「残業代の未払い」です。
法治国家といわれる日本においても、不法に残業代を支払わない会社が非常に多くあるのが現状です。
このような会社に対しては、もちろん未払の残業代を請求することができます。
しかし、「未払い残業代を請求することによって会社との関係が悪くなるのではないか」と考えるのが多くの方の心情でしょう。
「会社を辞めたときに請求すればいい」と思っている人がいますが、ここで注意しなければいけない点が時効です。
お金の貸し借りなど、通常の時効は10年と法律(民法)で定められていますが、未払い残業代請求の時効は「2年」と定められています(短期消滅時効)。したがって、未払い残業代の請求を考えている人は、いつまでも残業代請求をすることができるわけではないということは覚えておいて頂きたいと思います。
この他にも、通常の10年より短い時効が実はたくさんあるのです。
なお、この点、先週民法の改正が衆院法務委員会で可決され、今国会で成立する見通しです。
民法の改正が成立すれば、120年ぶりとなる改正となります。
実は、この中に、時効に関する改正も含まれており、短期消滅時効は5年と伸長される見込みです。
残業代の請求が少しでもしやすい状態に変わると思われますので、ブラック企業も少しずつ改善されていくことを願うばかりです。