所有者が不明な土地は九州の面積以上

先月のニュースで「日本における所有者が不明な土地の面積が九州の面積以上に及んでいる」という衝撃的な記事が記載されていました。

http://www.asahi.com/articles/ASK6R3VX0K6RUUPI002.html 出展「平成29624日朝日新聞デジタル」)

なぜこのようになってしまったのか詳しい原因までは記載されていませんでしたが、普段業務をおこなっているとなんとなく分かる気がします。

そのひとつが相続登記を放置することにあります。

不動産の所有者が亡くなったとしても、その名義は自動的に相続人に変わる訳ではありません名義を相続人に書き換えるためには、相続登記申請を法務局に行わなければならないのですが、これが一般の方にとってはモチベーションが上がる作業ではないのです。

モチベーションが上がらない理由は・・・

    登記申請にも登録免許税といった税金が課税される

    申請にあたり、戸籍の収集など膨大な書類を集めなければならない

    相続登記には期限がなく、しないことによる罰則がない(なので無理にやろうと思わない)

他にも理由があると思いますが、上の3つは相続登記が進まない大きな理由です。

 

自分が住む土地であれば名義変更をしないといけないと思うでしょうが、普段住んでいない田舎の実家の不動産であれば、やはりどうしても名義書換をしようというモチベーションは下がります。そうやって名義変更が未了の不動産が出来上がります。世代が進むにつれ、もはや誰の土地なのかも分からなくなってしまったというようなことはよくあることなのです。

しかし、不動産を処分しようとしたときに、これが後悔となって現れます。実は、不動産の処分は亡くなった方の名義のままではできないため、一度、現在の相続人の名義に変更しなければなりませんしかし、何代にも渡り相続登記を放置していたために、相続人が誰なのかも不明になってしまったということもあります。中には会ったこともなく、音信不通の相続人も出てきます。そうすると、結局、不動産の処分を諦めざるを得ないことにもなりかねません。

国には、相続登記が少しでもなされるような施策を実施してもらいたいと思います。そのひとつが、法定相続情報証明制度です。しかし、現在のところいまひとつ広がりを見せていません。相続登記をしようというモチベーションが上がるような方法を実施していくべきでしょう。

 

当事務所では、放置をしてしまった相続登記の相談も承っております。相談は無料ですのでお気軽にご予約ください。

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