債権回収の様々な方法と特徴

1 債権回収のやり方と特徴

未払いの養育費、未払い診療報酬、未払い残業代等の請求を考えた場合、その回収方法としては実際どのようにするのでしょうか。

実は、債権回収の方法はひとつではなく、様々な回収手段があります。

各手続にはそれを利用することのメリット・デメリットがあり、また回収までの時間が違ってきますので、それぞれの手続の特性を踏まえながら適切な手段を選ぶ必要があります。

 

2 内容証明郵便を利用するメリットと特徴

内容証明郵便とは、「誰が、誰宛てに、いつ、どんな内容の手紙を出したのか」を郵便局が公的に証明してくれる郵便です。

具体的には相手に対して、期限を定めて全額を支払う旨の内容の催告を、法律の専門家である司法書士の名前で郵送するため、相手に対して心理的プレッシャーを与えることができます。

内容証明郵便のみで解決すれば最も費用のかからず、解決時間が最短の方法となります。

解決時間は2週間程度です。しかし、法的な強制力はないため、無視されてしまうと次の手を考えなければなりません。

 

3 支払督促を利用するメリットと特徴

支払督促とは、簡易裁判所によって未払いの債権の支払を相手方に命じてもらうための方法です。

内容証明と違って、相手が無視をしても、最終的には、預金や給与の差押え等の強制執行ができる法的な強制力を伴わせることができます。

そして、訴訟手続きよりも費用が安く解決が早い特徴があります。解決時間は2ヶ月程です。

しかし、相手方から内容について異議が出されてしまうと自動的に通常訴訟手続に移行してしまいますので、かえって時間を要することになり注意が必要です。

 

4 少額訴訟を利用するメリットと特徴

少額訴訟とは、簡易裁判所において、総額60万円以下の未払い債権の支払いを求める訴訟手続です。

通常訴訟手続と違って1回の審理のみで判決が出るなど早期解決に向いた簡略化された裁判手続といえます。

また、費用も安く済み、相手方が判決に従わない場合には、預金や給与の差押え等の強制執行も可能です。

解決時間はおよそ2ヶ月を考えています。

少額訴訟の最大の特徴は提出できる証拠が限られていることです。

具体的には、即時に取り調べられる証拠として、裁判の場で所持している文書(=契約書等)の提出や、裁判の場にいる証人の取り調べ等に限られるため、明確な証拠を事前に準備できている場合には利用しやすい手続方法になります。

未払の養育費、未払い診療報酬、未払い残業代等の請求の証拠は主に文書が用いられるため、証明する文書を持っているような場合には、少額訴訟の利用がお勧めです。

 

5 通常訴訟手続を利用するメリットと特徴

通常訴訟手続は、債権回収の最終的手段であり、強制執行手続につなげることができる公的な解決方法です。

他の手続きと違って解決時間は3か月~4か月程の時間と費用がかかりますが、内容証明郵便も無視されてしまったり、証拠として明確な文書を持ち合わせていなかったりする場合には、通常訴訟手続を取る他ありません。

通常訴訟手続は、証拠として有利なものを制限なく提出できるために、証人尋問を実施する等、少しでも有利な証拠を提出することにより裁判所を説得し、勝訴判決に結び付けるように活動しなければならないため、担当する司法書士の実力や経験によって差が開いてくるところです。

 

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当事務所では過去に100件以上の裁判業務に携わった司法書士が担当しますので安心してお任せください。

当事務所では相談時間に制限を設けずお話をじっくりお聞きし、証拠の有無や相手の様子を判断しながら最適な手段をご提示するように心がけています。

 

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